真夜中のシンデレラ
友人は彼氏に付きっ切りで、私はなぜだか金田さんと話す機会があってあることないことなんか話して。 私は終始足が浮いていたけれど、金田さんにとってはそれはファンサービスであって、別に私に気があるからというわけではない。 けれども、その後奇妙な縁…
金田さんはあの日と同じように楽器を奏でていて、私なんかきっと見えてはいないだろう。 仮に見えていたとしても無視を決め込むことだろう。それほど私と金田さんの間には何の関連性もないし、そもそも金田さんが私にこだわる必要性はどこにもない。だって私…
気が付いた時には、そこは一面真っ暗闇の世界で、あたかもそれは随分昔にみた世界のようだった。 しかし、よく見てみればそこには生生しい暖かさや温度があり、夢ではないことを告げているような気がしたけれど、私にとってはこれが夢なのか現実なのか実際の…
初めて出会った日もこんな薄暗い中で、でももっと人は少なかった。 私はただの、コスプレ同好会の紅一点でもなんでもないメンバーで、ちくちく毎日来るべき日のための衣装をずっと縫っていた。 ずっと昔の時代の、華やかなドレス。まるでソーシャルゲームに…
ライブがあるんだ。 金田さんからの久々のメッセージはただその一言だった。 どこで、何時から、そもそもいつだよ、と情報をつけろよ。 と若干のいらだちを感じたものの幸いなことにバンド名を知っている上に、知らなくても金田さんのSNSから飛べばいいだ…