夢女日記

今日も元気に夢見てる

ケーキをひとくち。

今週のお題「おやつ」





昨日はあんなに勉強したのだから、ちょっとしたご褒美があってもいいよね
と言っている自分はすこぶる自分に甘い。とても甘い。
目の前のケーキみたいに甘い。





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奮発して3つも買った。もう今日の昼ご飯と晩御飯とおやつだ、と思ったけれど、昨日の寝不足がたたってすべて食べてしまいそうな勢いである。
自宅から少し離れた、確かちょっと話題になったお店にふらっと立ち寄って購入した。
どうやって行ったか忘れてしまったし、なによりケーキの箱も何もかもつぶしてしまったので、もう偶然がなければもう二度と行かない。
いけない。お金が足りなくて一つ減らしたって事実もあるからもういけない。




ひとくち、どうせなら、こちらもひとくち。じゃあ、これもひとくち。
自分しか食べないから、と同時に全部フォークで刻んで口に放り込む。
少しずつ風味の違う甘さが口の中に広がってとても幸せ。




ケーキて本当に素敵。みんなを幸せにできるから本当に憧れ。
物語でも語られるど物語でも、幸せの象徴で、私だってそんな人間になりたかった。
ひとくち、ひとくちと食べ進めているうちについに最後になってしまう。
きれいなうちに、楽しませるうちに、思い出になってそれでも幸せにってそんな生き様が素敵。
だから、私はケーキが好き。




最初こそ、粉や牛乳や卵。
単体では美しくも可愛くもないのに、熱を加えたり混ぜたりして、どんどん綺麗に、可愛くなっていくざまも好き。
他人に手をかけてもらえることがうらやましい。





相変わらず連絡はこない。ふう、とため息をつく。
離れてしまってもうじき一週間。
ここまで離れたことは、知り合って初めてに近いし、それに連絡が途切れてしまったことも本音を言えば悲しい。
弁明をしようか、でも、私は金田さんにとって別になんの存在でもないのだから何を弁明するというのだ。




ポットのお湯が出来上がったらしい。
軽やかな音楽を鳴らしながら部屋を満たしていく。
安い紅茶をそそいでひとくち。





あっち




口の中をやけどしてしまった。
はあ、なんかついてないな、そう思いながら転がしたままの勉強道具をじっと見つめていた。
仕方がない、やるしかないのだ。



写真:京都のどっか。